カラオケが苦手な人は無理に歌わせないでフォローしよう
性格なのかな、音痴という自覚があるのかな。「どうしてもカラオケで歌わない人」っているよね。それは男子でも女子でもいるんだけど。なんか、そういうカラオケが苦手な女の子に俺はなぜかすごく好感を抱いちゃうんだ。だって、可愛らしいじゃん。ちょっと俯いて申し訳なさそうにソファに座っている彼女がさ。マイクとかリモコンを渡されてもさ、「あ、私はいいから」なんて丁寧に断る姿。すごくグっとくるんだ。「私が歌わないばっかりに場が盛り下がるのが本当申し訳ない」という腰の低い態度。なんか惹かれちゃうんだよなぁ。だから、俺はそういう子のとなりにいて「助けて盛り上げる役」に徹するんだ。
「ねー、なんかエミちゃんも歌ってよぉ」なんてしつこく言う男子。「おいおい! じゃ、これ入れるね」「あ、そんな」エミちゃんの前で女性アーティストの曲を入れる俺。エミちゃんも自分が歌わされるんじゃないかと思って大慌て。でも、俺は静かに言う。「大丈夫。俺が歌うからさ、あいつらうるさいじゃん」笑顔でそう言ってあげるんだ。そして、曲が流れる。「よ! やっと、エミちゃんが歌うぞ」「ちょっと最初だけマイク持ってて」俺は小声でそう頼む。マイクを両手で握って緊張した表情を見せるエミちゃん。イントロが終わる瞬間。俺はバっとエミちゃんからマイクを奪って立ち上がって熱唱。
「おーい! おまえが歌うんかい!」それで、まぁ、一盛り上がり。エミちゃんも笑ってくれる。あとはそれの繰り返し。「よし、次こそエミちゃんに歌わせろよ」「わかったって」でも、俺がまた歌っちゃう。「おーい! こらー!」これで、カラオケが苦手なエミちゃんもようやく安心して楽しんでくれるんだ。
お酒も進んでいるみたいだ。ちょっとホロ酔いになったら、エミちゃんにタンバリンを渡す俺。楽しくタンバリンを叩くエミちゃん。後日、俺はエミちゃんにお礼を言われるんだ。「カラオケのとき、フォローしてくれて本当にありがとう」「じゃ俺とデートしてくれる?」「え、あ、うん。喜んで」こんな良いこともあるのだ。